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大阪地方裁判所 昭和45年(わ)373号 判決

本籍

大分県宇佐市大字下乙女一二六九番地

住居

京都市伏見区深草砂子谷一番地

会社役員

古田安夫

大正四年二月二七日生

本籍

京都市伏見区深草砂子谷町一番地

住居

右同所

会社役員

平嶋二ノエ

大正六年二月二〇日生

右両名に対する所得税法違反被告事件につき、当裁判所は、検察官猪方政昭出席のうえ審理をとげ、つぎのとおり判決する。

主文

被告人古田を罰金一、二〇〇万円に、同平嶋を罰金二、〇〇〇万円に、各処する。

被告人らにおいてその罰金を完納することができないときは、金四万円をそれぞれ一日に換算した期間、その被告人を労役場に留置する。

(罪となるべき事実)

第一、 被告人古田安夫は、大阪市北区小松原町一三番地外四ケ所において珉珉の屋号で餃子飲食店を経営していたものであるが、自己の所得税を免れようと企て、

一、 昭和四一年度分の所得金額は三九、三六二、二三四円、これに対する所得税額は二一、三〇五、六〇〇円であるのに拘わらず、売上収入の一部及びのれん収入等を除外しこれによつて得た資金を架空名義預金口座に預入して簿外にする等の不正行為により、右所得金額中二九、八九〇、五二八円を秘匿した上、昭和四二年三月一五日、大阪市北区北税務署において、同署長に対し、所得金額が九、四七一、七一六円、これに対する所得税額が三、五四〇、九二〇円である旨、過少に偽つた同年度分の所得税確定申告書を提出し、よつて同年度分の所得税一七、七六四、六〇〇円を免れ、

二、 昭和四二年度分の所得金額は四一、二五四、七六七円、これに対する所得税額は二二、四七四、四〇〇円であるのに拘わらず、前同様の不正行為により、右所得金額中三〇、三八二、六七三円を秘匿した上、昭和四三年三月一五日、前記税務署において、同署長に対し、所得金額が一〇、八七二、〇九四円、これに対する所得税額が三、一八三、三〇〇円である旨、過少に偽つた同年度分の所得税確定申告書を提出し、よつて、同年度分の所得税一九、二九一、一〇〇円を免れ、

第二、 被告人平嶋二ノエは、大阪市南区難波新地五番丁一一番地外五ケ所において珉珉の屋号で餃子飲食店を経営していたものであるが、自己の所得税を免れようと企て、

一、 昭和四一年度分の所得金額は六八、六八六、一七七円、これに対する所得税額は四二、一八八、五〇〇円であるのに拘わらず、売上収入の一部等を除外し、これによつて得た資金を架空名義預金口座に預入して簿外にする等の不正行為により、右所得金額中四四、八八〇、一〇五円を秘匿した上、昭和四二年三月一五日大阪市南区南税務署において、同署長に対し、所得金額が二三、八〇六、〇七二円、これに対する所得税額が一一、七四○、七○○円である旨、過少に偽つた同年度分の所得税確定申告書を提出し、よつて、同年度分の所得税三〇、四四七、八〇〇円を免れ、

二、 昭和四二年度分の所得金額は、六五、三九六、四一〇円これに対する所得税額は、三九、六四二、三〇〇円であるのに拘わらず、前同様の不正行為により、右所得金額中四二、九三四、六五八円を秘匿した上、昭和四三年三月一五日、前記税務署において、同署長に対し、所得金額が二二、四六一、七五二円、これに対する所得税額が一〇、八六七、二〇〇円である旨、過少に偽つた同年度分の所得税確定申告書を提出し、よつて、同年度分の所得税二八、八七五、一〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

被告人古田につき、

一、 同被告人の大蔵事務官に対する質問てん末書三通および検察官に対する供述調書二通

一、 北税務署長井形武作成の証明書二通

被告人平嶋につき

一、 同被告人の大蔵事務官に対する質問てん末書六通および検察官に対する供述調書二通

一、 南税務署長木田清蔵作成の証明書二通

(法令の適用)

被告人両名につき、それぞれ

所得税法二三八条一項、二項、刑法四五条前段、四八条二項、一八条。

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 池田良兼)

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